地政学からモノポリーを攻略する|第1回:投資無くして勝利無し


20170123_monopoly eyecatch“ゲームバランス”を理解してますか。この連載ではモノポリーを地政学的観点から分析し、現実の不動産投資判断でもよく言われる「実質利回り」を導出していきます。
初回となる今回は、目的の確認と基本設定の確認から始めます。

 

まずは目的をちゃんと確認しよう

人生ゲームやすごろくとは異なり、投資判断力が求められるゲーム、それがモノポリーです。
モノポリー自体の解説やルール、面白さは他サイトでも多く語られていますので、本連載では割愛しますが、最も大事な、「何を目的とするのか」は再確認しておきましょう。


ルールブックなどから整理すると、その戦略大目標は「相手を破産に至らしめる」ことであります。(当然、時間制限などを設ける場合は「自己の資産(現金+物件評価額)の最大化」と目標が少し変わります)

その目標を達成するために、自身の物件に投資し、他人から徴収する現金収入を高めていくことが有効な手段であることも解説されています。20170123_monopoly_基本的な交通と地価
(もう一つの有効な手段は、サイコロの目を完全にコントロールできる振り方を習得することですけどね。。
ま、出来ないから“運”にも左右されて面白いんですが・・・)

そして、ゲームタイトル通りの重要な制限事項が「同一のカラーグループをそろえないと建物を建設できない(=投資して収益の拡大ができない)」ということであり、もっと言ってしまえば、「独占なくして勝利無し」となりますでしょうか。

土地の価格は路線価

さて、地政学の視点に行く前に基本的な交通と地価をおさらいしておきましょう。
ゲームの舞台となるのは40マスに分けられた一方通行の盤面であり、整理として、「Go」のマスを0とし、進む順路にそって1,2,3…と地番を振ることにします。
各物件の地価は、最初の1番地「地中海通り」の$60から始まり地番が進む毎に最後の39番地「ボードウォーク」の$400へと高値になっていきます。20170123_monopoly_目的と手段

(あ、この連載では、スタンダード版(アトランティック版って言うらしい)の名称を使って解説しますが、カラーグループ・地価・建設費はどの版でも同じなので、皆様がよくやる“版”に合わせて読み替えてくださいね…)

この土地の価格はあくまでも、路線価という公示価格であり、ゲームの世界では、プレイヤー間の土地の売買が見どころですので、「独占」を目指して、他プレイヤーから土地を売ってもらう取引価格の見極め(つまり、いくらまでなら投資してもいいかの見極め)が一つの勝利へのポイントでもあります。

投資無くして勝利無し

このゲームの本質である、見事同一のカラーグループの独占(=Monopoly)に成功したら、その土地に投資して、建物を建てることで収益額が一気に上がります。例えば、39番地「ボードウォーク」に他プレイヤーが止まった時、土地のままではたった$50の収益ですが、家を3軒建ててあった場合は$1,400もの収益になります!

先ほどの「独占無くして勝利無し」の先に「投資無くして勝利なし」ともいえるでしょうか
し・か・し、なんでもかんでも有り金全部投資して建設することがいいとは言えないのが、数学の出番であり、面白いところ。
次回に続く)


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