地政学からモノポリーを攻略する|第3回:カラーグループで見た時の投資利回り
土地別で見るだけでは視野狭窄。
この連載ではモノポリーを地政学的観点から分析し、現実の不動産投資判断でもよく言われる「実質利回り」を導出していきます。第3回となる今回は、前回導出した土地別「利回り」の考え方に、カラーグループ別「利回り」の視点から見ていきます。
絶対額で最強なのはグリーンのカラーグループ
実際のゲームではそれぞれの土地1つを持っていても開発はできないというルールがあるので、個々の土地の収益性も重要なのですが、カラーグループとしての重要性を見ておかないと、「どのカラーグループをそろえていこうか」が見えなくなってしまいます。
そこで、前回の横軸を投資額、縦軸を収益額にとったグラフをカラーグループでまとめてみました。
すると、収益総額が圧倒的なのはグリーンのカラーグループであることが分かります。
すべての物件をホテルにするとその収益性は逆に土地代も建設コストも高額なディープブルーのグループは2つしか土地がないことから、
・最終的な期待収益総額はグリーン、イエロー、レッドに劣る
・土地が2つしかないので投資回収の分岐点は比較的早く訪れる(家を3軒づつの合計6軒建てると非常に高い収益性の土地となる)
特徴があります。
(モノポリーの基本ルール、「家を建てる時には、保有するカラーグループの中で最も家を建てている土地と最も家を建てていない土地の家の差が1以内」というルールがあるので、3つ土地があるカラーグループは、収益がぐんと上がるには家を9軒建てなければならない)
試しに、EVEN LINEとも呼べる投資と収益が同じになる点を結んでみましょう。(図のピンクの線)
するとある程度まではどのカラーグループもEVEN LINEより下回っていますが、ある一定額の後は、収益が大きくなることが分かります。このEVEN LINEよりもディープブルーやオレンジのグループは大きく収益側にぶれていることからも、投資対効果の面から有利なグループとも見えます。
利回りの伸長が横ばいになる高級土地と伸び続ける低額土地
さて、前回と同様にカラーグループごとの利回りも見てみましょう。それぞれのカラーグループの投資利回りを横軸に投資金額、縦軸に利回り率を取り、グラフを作ってみました。
するとなんとグリーンのカラーグループでは、投資額が$2600を超えると利回りの低下が確認できます。また、ディープブルー、イエロー、レッドも横ばいといえるでしょう。
つまり、一定額まで投資した後はそれ以上投資しても回収効率がそれほど上がるわけではないということになります。
“見かけ”利回りと“真”の利回り
しかし、ここまで読んで、聡明な読者の皆様はお気づきかと思います。
「そんなこと言っても、他プレイヤーが自分の土地に止まってくれなければ収益なんて上がらないよ」
「他のサイトやものの本には、オレンジとレッドがおすすめって書いてあるよ」
などの声が聞こえてくるような気がします。
・・・。
全くもってその通りです。
この連載の鍵となる「地政学」の視点を論考に編み込みつつ、次回から“真”の利回りへと近づいてみましょう。
(次回に続く)