地政学からモノポリーを攻略する|第4回:7つのマスが生み出す交通要衝地


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チャンスはピンチ!?
この連載ではモノポリーを地政学的観点から分析し、現実の不動産投資判断でもよく言われる「実質利回り」を導出していきます。
第4回となる今回は、前回導出した「利回り」の考え方に、いよいよ地政学の考えを導入し、“真”の利回りを導出するステップを考えていきます。

2つのカードが作る新しい交通

モノポリーには2つの特殊なマスがあります。
それが、この、

20170206_monopoly_チャンスカードとコミュニティチェスト_絵

チャンスとコミュニティチェストです。
このマスに止まると、16枚ずつあるカードから1枚を引かなくてはならず、そのカードに書かれている指示に従う必要があります。そのカードの内容は、

20170206_monopoly_チャンスカードとコミュニティチェスト

のどちらも16指示であり、チャンスカードには移動系の指示が多くあり、コミュニティチェストには収入系の指示が多くあるのが特徴です。
しかし、この移動系の指示が「地政学的ポイント」
つまり、どういうことかというと、マスからマスへの交通路が開かれていることであり、モノポリーの基本的交通の「左回り一方通行」だけでないことが、それぞれの土地の収益性を変化させていく要因となっています。

新たに生まれる交通路

実際に2つのカードによる交通路(この交通路を“新交通”と呼ぶことにします)を盤面上に再現すると、

20170206_monopoly_チャンスカードとコミュニティチェストによる移動先

となり、比較的多くの新交通が「スタートのマスGo」と「刑務所」に向いていることが分かります。盤面で見るだけだとどこに集中しているかが分からない面もあるので、一列に並べてInとOutを見てみると、

20170206_monopoly_チャンスカードとコミュニティチェストによる移動先fromto

Goから12番目のElectric co.(電力会社)までの間に新交通の行き先が集中していることがよくわかります。
つまり、新交通で移動した後は、そのマスから次のターンではダイスを振ることになりますので、必然的に新交通の行き先の後にあるマスはプレイヤーが止まる可能性が高く、収益性が高いと言えるわけです。

成長性×交通要衝=“真”の利回り

前回までの連載で土地の路線価、収益性・成長性を評価してきました。そして今回、“新交通”というものから、どこが行き先として多いのか=交通要衝地なのかを見てきました。

20170206_monopoly_真の利回り導出に向けて

世の中では、正式な計算もなく、「オレンジ・レッドがいい!」という合唱がありますが、次回からはその合唱を数字データ分析によって証明するとともに、では、いくらで売買すれば投資に見合うのかを見ていきます。
次回に続く)


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