地政学からモノポリーを攻略する|第5回:鍵は新交通の行き先「交通要衝地」


20170123_monopoly eyecatch

“新交通”による移動確率とを見よう。“移動速度の不均一性”を加味した交通要衝地の次の1歩目を考えよう。
この連載ではモノポリーを地政学的観点から分析し、現実の不動産投資判断でもよく言われる「実質利回り」を導出していきます。
第5回となる今回は、交通要衝地がどれほどほかの土地(=マス)よりも移動確率が高いのかを導出しつつ、その次の1歩目も加味して、どれほど土地別に移動確率の違いが出るのかを計算していきます。

TOPはJailの5.93%

ダイスの投げる回数が少ないうちは踏まない土地(マス)も存在することと思います。
そこで、今回の確率導出に当たっては、十分に多い回数ダイスを投げた場合を基準として、全40マスの基準存在確率を1/40=2.5%と設定しました。

そのうえで、Jailにダイスを振った後に存在する確率を導出してみることにします。
Jailへの移動がある交通路はチャンスカードのマス、コミュニティチェストのマス、そしてGo to Jailのマスですので、

基準確率2.5%に、
チャンスカードのマスの基準確率1/40 × チャンスカードのマス3か所 ×Go To Jailのカードを引く確率1/16と、
コミュニティチェストのマスの基準確率1/40 × コミュニティチェストのマス3か所 ×Go To Jailのカードを引く確率1/16と、
Go to Jailのマスの基準確率1/40
を足した5.93%がJailのマスの移動後存在確率となります。

20170206_monopoly_Jail5.9%

移動系カードの多いチャンスカードのマスは移動後存在確率が低い

それぞれのマスの基準存在確率に、交通要衝地による移動の確率を加味して、移動後存在確率を導出すると、

となります。Jailのずば抜けた高さが気になりますが、チャンスのマスとGotoJailのマスの低さも意外と多いことが分かります。
また、交通要衝地としてのカードの行き先に指定されている土地の確率も他の土地に比べ確率が高まっていることが見て取れます。

“移動速度の不均一性”を加味した交通要衝地の次の1歩目を考える

しかし、移動後確率だけでは、実際のゲームを行った感覚となかなか合ってきません。その理由は、移動後の速度が一定ではなく、不均一であることにあります。
モノポリーは2つのダイスを振ることで駒を進めていくゲームです。この2つというのがポイントであり、単純な12面ダイスであれば、出る目の確率は均一の8.33%(=1/12)になるところ、ダイスが2つあることにより、2つの目の合計数別で確率は異なり、

20170206_monopoly_2つの目の合計数別確率

となります。
さらに、モノポリールールでは、「1回目でゾロ目が出た場合はもう一度(2回目)振ることができ、その2回目でもゾロ目の場合はもう一度(3回目)振ることもできる(ただし、3回目もゾロ目の場合はJail行きとなる)」というルールもあるため、その分も加味し、進める出目別の確率をグラフにすると、

20170206_monopoly_移動確率

となります。
このそれぞれの進む確率と、先ほどの交通要衝地を加味した土地の移動後存在確率を掛け合わせることで、移動後+1歩目まで加味した、それぞれの土地の存在確率が割り出せます。

20170206_monopoly_移動後+1歩目まで加味した、それぞれの土地の存在確率

すると、巷でまことしやかに言われているようにオレンジがやっぱり、移動直後でも移動後1歩目でも確率的に優位な土地であることが改めて見えてきました。
さらに、この存在確率を高低差でマップに3Dプロットしてみると、

20170206_monopoly_存在確率を高低差でマップに3Dプロット

この連載のタイトル画像となる訳です。
次回に続く)


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