地政学からモノポリーを読み解く|第6回:存在確率から見た“真”の利回り
いずれの土地も優秀なパープルとオレンジ。厳しいグリーン。
この連載ではモノポリーを地政学的観点から分析し、現実の不動産投資判断でもよく言われる「実質利回り」を導出していきます。
第6回となる今回は、前回導出した移動後の存在確率とその後の第1歩目まで加味して、第3回で導出した土地別の投資対収益のグラフ、投資対効果(ROI)のグラフを見ていくことで、いよいよ、それぞれの土地の“真”の利回り(=実質利回り)を見ていきます。
投資対収益ではボードウォークだけが別格
交通要衝地からの移動とその後の1歩目の確立をそれぞれのマスの確立として収益にかけ合わせることで、その土地の収益期待値が導出できます。その収益期待値を縦軸に、横軸には投資金額を取り、それぞれの土地をプロットすると、
となります。
まず目を引くのがボードウォークの高さです。明らかに一つずば抜けています。
これはもちろん、チャンスカードの確率が載っていることが挙げられるのですが、元々この土地は収益金額が大きくなるように設定されているという側面もあります。(ボードウォークの所有者にとっては「チャンス」カードですが、他のユーザーにとってはたまったもんじゃないですよね)
それ以外の土地は、このグラフからはほぼ同じ傾向で、土地が高架になるほど、収益もほぼほぼ大きくなるという傾向くらいしか見えてきません。
投資対効果(ROI)ではオレンジを上回るライトブルー
そこで、縦軸を期待収益ではなく、利回り(=期待収益/投資)に変えて、さらに読み解いていきます
。
すると、第3回で導出した交通要衝地の考え方を加える前のグラフに比べ、オレンジとパープルがより高い利回りとなり、ライトグリーンとパークプレースの利回りが低くなりました。
しかし、意外とライトブルーもホテルでは利回り8%となるなど、実はお買い得な物件なのかもしれないということや、ライトグリーンはどうしても使いにくい(=勝ちにくい)カラーグループだななどとも思えてくる、興味深いグラフであります。
さて、これまで、あくまで交通環境分析を行ってきましたが、次回は不動産鑑定の視点から、「では実際に購買するとしたら、どのくらいの価格が適正価格なのか」を考えていきたいと思います。
(次回に続く)